TP-Link Archer C55 にOpenwrtをインストール

2024年9月4日水曜日

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TP-Link Archer C55 について

With 300 Mbps on the 2.4 GHz band and 867 Mbps on the 5GHz band, Archer C55 is the superior choice for seamless HD streaming, online gaming, and other bandwidth-intensive tasks.

2017年頃に発売された802.11 a/b/g/n/ac対応のWifi5なルーターです。現在は終売なのでいまから手に入れるとしたらリサイクルショップかフリマサイトからとなります。
デュアルバンドで最安クラスであったため購入して長期に使用していました。有線WANポートがギガビットなのに4つあるLANポートは100Mbpsなのが残念な点ですが、当時は他メーカーでもよくある構成でした。
日本専売モデルであるためか、Openwrtのサポート対象に入っていません。
ググって手に入る情報を見るとOpenwrtがサポートしている「Archer C55 v1」と使用しているWifiチップなどのハードウェア構成が似ていると推察されたので、これのイメージファイルをインストールできないか試してみました。

[フォーラムで報告された情報]
https://forum.openwrt.org/t/openwrt-for-archer-c55-v1/81882/7

C50 と C55 の相違点

項目C50C55
CPUMediaTekMT7620AMediaTekMT7620A
WifiチップMediaTek MT7620A, MediaTek MT7612ENMediaTek MT7620A, MediaTek MT7612EN
WANポート100M × 11G × 1
LANポート100M × 4100M × 4
USBポートUSB2.0 × 1なし
外部アンテナ2本3本

Openwrt 適用手順

ルーターのWeb UI画面からC50用のsysupgrade.binファイルを指定してOpenwrtをフラッシュすることはできません。おそらくターゲットの機種名を確認して弾かれていると思われます。そのためTFTPサーバーからイメージファイルを送り込む手順を試してみました。

Openwrt公式ページの「Installation Using the TFTP method」ー 「v4 and v5 instructions」を参考にTFTPでイメージファイルを送る方法で行いました。
手順書でLinuxの「dd」コマンドを使用する必要があるのでLinuxを使用して作業しました。

[参考にした手順書]
TP-Link Acher C50 Installation using the TFTP method

イメージファイルの入手

TP-Link C50シリーズ系のルーターはTFTPブートでOpenwrtのイメージを焼く場合、メーカー公式のファームウェアイメージとOpenwrtのイメージを組み合わせてファイルを作成する必要があります。

メーカー公式ファームウェアの入手

TP-Linkの公式サイトからファームウェアを入手します。経験的にメーカーはroot権やカスタムファームを嫌って対策しがちなので、一番古いバージョンの「Archer C55(JP)_V1_170512」をダウンロードしました。

ダウンロードしたzipファイルを展開します

unzip "Archer C55(JP)_V1_170512.zip" 

手順書に合わせてファイル名を変更します。

mv "Archer C55v1_0.9.1_2.1_up_boot(170512).bin" tpl.bin

Openwrtイメージファイルの入手

対象のルーターは「C55」ですがOpenwrtのサポート対象外のためハードウェア的に似ている「C50 v1」用のイメージを使用します。
「TP-Link Archer C50」にはバージョンがv1〜v5とありますが、それぞれ筐体も中身も全く異なりますので「v1」用のイメージであることを確認してダウンロードします。以下から「sysupgrade」のバイナリをダウンロードしました。

[Acher C50 v1 用Openwrtイメージ(sysupgrade)]
openwrt-23.05.4-ramips-mt7620-tplink_archer-c50-v1-squashfs-sysupgrade.bin

手順書に合わせてファイル名を変更します。

mv openwrt-23.05.4-ramips-mt7620-tplink_archer-c50-v1-squashfs-sysupgrade.bin owrt.bin

TFTP用ファイルの作成

参考にした手順では下記のように”FF”で埋めた部分を作成しますが、この手順を行うとイメージのフラッシュに失敗します。この手順を省くとうまく行きました。

※以下のコマンドは不要
dd if=/dev/zero of=tp_recovery.bin bs=196608 count=1  

TFTP用ファイルを作成するには下記の通りコマンドを実行します。

dd if=tpl.bin of=tmp.bin bs=131584 count=1  
dd if=tmp.bin of=tp_recovery.bin bs=512 skip=1  
cat owrt.bin >> tp_recovery.bin  

”tp_recovery.bin”がTFTPブート時にC55ルーターが要求するファイルです。

TFTPサーバーのディレクトリにファイルを配置し、念の為TFTPサーバーを再起動しておきます。

sudo cp tp_recovery.bin /srv/tftp/  
sudo service tftpd-hpa restart

TFTPブートとイメージのフラッシュ

IPアドレス設定

TFTPサーバーとなるPCのIPアドレスを設定します。

  • IPアドレス : 192.168.0.66
  • サブネットマスク : 255.255.255.0

※ルーター「C55」はTFTPブート時、IPアドレスは「192.168.0.2」で動作します。
ルーター「C55」の”LAN”ポートとPCをLANケーブルで接続しておきます(WANポートではありません)。

ルーター「C55」をTFTPブート

ルーター背面にあるリセットボタンを、伸ばしたゼムクリップなどで押しながら電源を入れます。リセットボタンを押し続けたまま起動するとTFTPブートするので電源ボタンONの後7秒間ほど経った後にリセットボタンを離します。TFTPブートが実行されるとTFTPサーバーから”tp_recovery.bin ”をダウンロードして自動的に適用されます。
Openwrtイメージのフラッシュには時間がかかります。
無事にイメージがフラッシュされるとOpenwrtが起動し、DHCP機能も有効になるのでPCのIPアドレスを自動取得にしてしばらく待つのがよいと思います。
PCのIPアドレスが192.168.1.Xに設定された時にOpenwrtの実行が成功したと判断できます。

「C50 v1」のOpenwrtイメージをフラッシュした「C55」はどこまで機能が正しく動作するかまでは確認していません。
私の環境ではPCに有線接続し、既に稼働しているWifiルーターの子機として、Wifiコンバーター的な使用しています。

設定は以上です。

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